GIGAZINEのパワーの根源である「GIGAZINE読者のチカラ」

GIGAZINE読者は基本的に1つの記事に対し、2つのチカラを持っている。見出しを見てどの記事をクリックするか。そしてもう1つ、記事中の元ソースのリンクをクリックすることで、GIGAZINEからリンクしているサイトに対する影響力を行使することだ。この2つ目、「リンクのクリック」がGIGAZINE読者としてあなたのチカラを世に示すことになる。順に説明するよ~

1つ目の見出しを見てクリックするというのはわかりやすい。あなたのクリックがそのまま記事の人気度を決め、ランキングを決定する。たくさんの読者からクリックされる記事はたくさんの注目を集めているということなので、当たりやすい。私は毎日アクセス解析結果を見ているし、30分ごとのレポートもずっと毎日見ているので、「今公開されたばかりなのに直近30分で1位にならないということは、これはそもそもGIGAZINE読者の興味をあまり引いていないのだな……」というようにして、マクロ的視点における「読者の動き・嗜好」を把握して認知することにつながる。GIGAZINE読者はトップページからどの記事をクリックするのかを選ぶことによって、GIGAZINEの記事の方向性を左右しているのわけだね~。ここまでは「そうだろうな」という感じだが、もう1つのチカラが超重要。

2つ目、「リンクのクリック」とは、記事中の元ソースのリンクをクリックすること。私がGIGAZINEのアクセス解析結果を見ているように、GIGAZINEからリンクしている先のサイトもアクセス解析を見ている。どのサイトからリンクされて多くの人が来ているのかを認知している。だから、GIGAZINEの持っている大きな影響力の本質というのは、あなたが記事を見て、そして記事中のリンクをクリックすることで完成するのだ!(ばばーん)記事を見るだけでも影響力を与えることはできるが、それはあくまでも私と編集部へ与えているに過ぎない。世界を変える真の影響力はどこにあるのか?GIGAZINEの記事中にあるリンクだ。記事中のリンクをあなたがクリックするとき、あるいはスマホからタップするとき、あなたはGIGAZINEのチカラとなり、GIGAZINEを使って世界へ影響力を与えていることになるのだー!(ばばばばーん)

なので、あなたが記事を見るとき、最初の1票が投じられる。それは私と編集部に対し「この記事がよかった!」という意志を示す。そしてあなたが記事中のリンクをクリックするとき、決定的な影響力が世界へ行使される。あなたはGIGAZINEからリンクしているサイトに対し、「GIGAZINEから来た!」という行動を示すことになる。このリンクのクリックが多くなれば多くなるほど、GIGAZINEが世界に与えるパワーは強大になっていく。世界を変えるチカラを行使しているのはGIGAZINE読者であるあなたなのだ!

この根本的な考え方があるので、私は編集長として「アドブロック利用者には記事を見せない」という選択をしていない。広告をブロックして非表示にしていても、上記2つの点においては立派に「GIGAZINEのチカラ」となっているから。編集長である私自身がアドブロックユーザーなので「広告を見たくない」という一般読者の気持ちは理解できる。この「キャンプ・ギガジン」もそういう考え方をもとにしている。

というようなことを20周年記念でぼんやりと思っていたのだが、ここ1~2年はもっとハッキリとした言語化をしていくべきだと考えるようになった。

GIGAZINE読者の持っているチカラを、あなたを含めたひとりひとりに自覚してもらうこと。そして持っているチカラを使ってもらうこと。あなたは無力ではない。

おそらく大部分の人間は「世界を変えることはできない」と思っている……なぜなら、無数にいる人間のうちのたった一人だから。投票と同じで、1票の持つチカラが感じられない、とても弱い、いてもいなくてもいっしょ、何も変えられない……自分は世界と関係ない……ひとりぼっち……本当にそうなのだろうか?

今のインターネットは20年以上前、GIGAZINEが生まれたときと比べると大きく変わった。最も変わったのは人口。スマートフォンの登場によって、本当に世界中のほぼ全ての人がインターネットにつながることができる世界となった。インターネットはただの仮想世界としての「あちら」ではなく、私が主張していたように現実と地続きのリアルになった。つまり、インターネットは現実世界を変えることができるようになり、影響力を持つようになった!私の暴言は予言として、とても正しかったことが証明された。「あちら」「こちら」ではない。インターネットは世界そのものとなった。みんながここにいるから。

引き換えに、20年以上前のインターネット上に確かに存在していたユートピア、あるいは楽園は失われてしまった。いまやどこにでも迷惑広告・詐欺広告が大量に存在しており、あらゆるサイトに山ほど広告の枠があって、記事やエントリー自体が広告のオマケのような感じになっている。広告の規約に記事の内容が違反しているとして広告が止められてしまうので、「おかしい」と思っても従わざるを得ない。国の定める法には何も違反していなくても、広告の規約には違反しているとして、自主規制・自粛・削除が求められる。GoogleやAppleにしてもユーザーに対してかなり不親切で、なんでもかんでも規約に基づいた対応で、何か理不尽な対応をされたりアカウントを消されたり追い出されても文句が言えない。イヤなら使わなければいいが、使わない生活など考えられないので使わざるを得ない、だからどんな無茶苦茶なルールや規約でも従わざるを得ない……コレはおかしいのではないだろうか?

GIGAZINE10周年記念の本の中で、インターネットは個人にパワーを与えたと書いた。個人のチカラの最大化、すなわち「Knowledge is power」、知識は力なり、だ。個人のチカラが最大化された結果、SNSは誹謗中傷増幅マシンと化したが、「個人のチカラ」を増幅していると考えると正しい。そして20周年記念で考えたのは、「だが次は何だろうか?」ということ。個人のチカラを最大化することに成功したインターネットは次にどうなるのか……

20周年記念本を書けなかったのは、この答えを当時の私は出せなかったから。今は書ける。答えを出した。その答えの具現化がここ、「キャンプ・ギガジン」だ。

次回は最大化された個人のチカラを集約するもの、すなわちここ、「コミュニティ」について。

前:キャンプギガジンのベータテスト開始から1か月が経過したのでこれまでの進捗&これからの予定
次:どういう「コミュニティ」を目指すのか、あと現状をグラフ化

「いいね!」 10